事故物件となってしまったお部屋の大家さん、オーナーさん、管理会社さん、不動産屋さんを対象にブログを記載しています。
物件管理側の方にすると説明不要ですが、一応「事故物件とはそもそも何ぞや?」という方に簡単にご説明します。
住んでいたお部屋内で「自殺」・「殺人事件」・「火災焼死現場」などがあった物件(土地、建物、マンション、アパートなど)のことを言います。
※当ブログでは孤独死や事件性のない不慮の事故は「自然死」扱いとし、事故物件には含みません。
事故物件となると心理的に嫌がられることにより風評被害や家賃を下げたり、単純に不動産価値が下がります。
また、通常の退去物件よりも原状回復に時間とお金がかかってしまいます。
不動産の法的なお話はここでは割愛しますが、数年前に比べ特殊清掃の技術も向上し、リフォームも併せて行うと殆どの現場では過去に事故物件だったいうことが分からないように回復することも可能になりました。
これは消臭作業や防臭作業などの技術向上によることが大きいです。
見た目の現状回復は簡単ですが、ニオイを「人が気にならないレベルまで落とす」のは実は難しいのです。
※理論上、地球上に無臭ということはあり得なく、機械等で計測すると何らかのニオイ物質は産出されます。
・・・とはいえども、どこの特殊清掃業者でも同様のレベルかというとそういったことはございません。
特殊清掃は技術と経験と専門道具が必要な仕事ですから、どれか一つでも欠けるとトラブルになりがちです。
経験豊富な業者を選ぶようにして下さい。
リライブルの過去の事例
火災現場
ただのボヤや死亡者のいない火災現場であれば事故物件と言わないこともありますが、焼死体や一酸化炭素中毒死などで残念ながらお亡くなりになってしまう場合は事故物件化してしまいます。
事故物件の中でも特に高いレベルが求められるのが火災現場の現状回復です。
鎮火後の室内のススのニオイ(物質が焼けたニオイ)は強烈です。
放置していた場合は、2年はニオイが消えないと言われております。
小さなススがあるだけでも、微量な空気の流れで「スス臭いっ!」となる可能性があります。
特に太古の昔より「火事は生命を失う危険性が高い!危険だ!」と遺伝子に組み込まれているのでスス臭にはより敏感になっていると言われております。
また、木が燃えたというレベルのススではなく建築物質や生活用品のあらゆるものが燃えています。
火災現場跡の見積時でも有害物質、発がん性物質等が浮遊している恐れがあり防塵マスクなどを着用したほうが良いです。
火災現場・現状回復の大きな流れ
1,【共用部の養生】
廊下やエレベーターなどの共用部もしっかり養生を行わないと後日ここの修繕に余計な時間が取られます。
大きなマンションになると養生作業だけで1〜2日を費やすこともございます。
床はもちろん、壁、天井、階段の手すりまで覆います。
搬出経路が長いとその分養生範囲も広くなります。
2.【家財道具の搬出】
なるべく袋は2重にしたり、業務用ラップなどに包んでススを落とさないように致します。
因みに一般廃棄物として処理できるのか産廃となるのか等の判断は各地方自治体によって見解が変わりますので廃棄業者との事前打ち合わせが必須です。
また消火活動で水濡れになっていたり、溶けていて原型をとどめていない家電などもあります。
重たくなっていたり、運びにくくなっていたり通常の搬出作業よりも作業効率が悪いです。
3.【解体工事】
家財品撤去後は躯体を残してほぼ室内を解体しスケルトン状態にします。
こちらの廃材は産廃となります。
4,【スス撤去作業】
予算と時間によりますが、専用の薬剤を使用してススを落とす場合と、物理的に表面をはつってしまう方法があります。
薬剤の場合は、通常の洗剤ではなくススを落とす溶剤系の物を使用しますのでニオイがキツイです。
また、ハツる場合は電動工具(コンクリートカンナやグラインダー等)を使用し、音がうるさくなるので場合によってはクレームの対象となるので使用できない場合もあります。
5.【清掃作業と消臭作業】
薬剤を使用して清掃を行い、細かい部分に入り込んだススを取り除きます。
その後、消臭剤の大量散布とオゾン脱臭を行います。
事前にススをどれだけ取り除くことが出来るかが消臭作業の出来を左右しますのでオゾン脱臭機だけでは無臭にはなりません。
6.【ニオイの確認】
作業場所の空間が広いことが多いのでニオイの確認にも数日を要します。
また、なるべく気温を高くして臭気をあえて沸き出すようにします。
施工主様と弊社スタッフにて臭気の確認を行い、ここで問題なければリフォーム工事に移ります。
この時点で双方確認を取らない場合はリフォーム後にスス臭がするという失敗をしてしまうことがあります。
当然、ここで合意に至らない場合は作業の手直しとなります。
7.【原状回復・リフォーム工事】
残りはリフォーム作業中に、作業員が「ここが臭い」と発見された場合は新たに消臭作業を追加し万全を期します。
最後にリフォームが完了し、見た目が綺麗になったら最後の清掃と消臭を行い引き渡しとなります。
以前の部屋とは全く違う雰囲気に変えることも可能です。
工期としては全ての業務をこなすのに大体1〜3か月くらいは見て頂きたいです。
火災現場の特殊清掃に関しては写真NGだったり、契約上掲載出来ない物も多くあまり写真を掲載出来ませんが、大手ゼネコン様や大手管理会社様からのご依頼を多数いただいております。
8.【臭気分析】
オプションとなりますが、作業前と作業後に活性炭物トラップを用いてガスクロマトグラフィーで臭気成分や強度などをグラフで示し報告書として提出することも可能です。
ハンディタイプの臭気測定器も用意していますが、より科学的な書類が必要な場合はご用命ください。
日本除菌脱臭サービス協会の会員の特典であり、弊社も『臭気分析評価マイスター』講習受講済みです。
火災現場の特殊清掃に関しては、素人が出来るものでもありません。
大抵の場合は、火災保険を使用して施工を行うことになりますのでそういったお話も含めてご相談頂ければ幸いです。
他殺現場の特殊清掃
殺人事件や傷害事件があったお部屋の場合は「血」が散乱していることが多いです。
床だけではなく、壁や天井まで広範囲に血しぶきが飛んでいることも珍しくありません。
どこの事例とは言えませんが、部屋中血だらけのお部屋の特殊清掃を行ったこともございます。
血液の清掃で気を付けないといけないのはお湯は使わない方がよいでしょう。
通常の汚れや油汚れに関してはお湯の方が落ちやすいですが、実は血液は凝固してしまい逆に取れにくくなります。
また、大量の血液にまみれていると血の匂い特有の鉄臭い、生臭いニオイで酔ってしまうので防臭マスクをした方が良いです。
固まった血液の場合は水に濡らすよりも、スクレイパーなどでそぎ落とした方が早い箇所もありますので清掃箇所によって臨機応変に行うべきです。
ただし、感染症の恐れがある場合は粉塵として舞い、吸い込んでしまいますのでこちらも防塵マスクなどでガードしましょう。
健康な場合は特に問題ないかもしれませんが、免疫力が低下している場合はどのような病気になってしまうかわかりません。
場合によっては壁紙を剥がしてしまった方が早くこと済む事もありますので、大家さんと「ご予算」や「その後に部屋を貸し出しをするのかどうか?」なども含めて事前打合せすることが大事です。
自殺現場の特殊清掃
室内での自殺方法も多々あり、首つり(酸欠)、手首を切る(大量出血)、ランタン自殺(一酸化炭素中毒)、薬物服用等などあります。
いずれにしても、体液、血液の処理に始まり形跡が残らないように清掃や消臭を行います。
作業に関しては他の特殊清掃と同じ流れです。
しかし、他の作業と圧倒的に違うのは「自殺は自らの命を自ら断ってしまう」ということで事故や突発的な不幸ではなく、ある程度計画性(突発的なこともありますが)をもって準備をしていた形跡がお部屋の各所に見えます。
また自殺現場の特殊清掃は「何が辛いか?」というと故人の書き残したメモやノートなどを見てしまうときです。
大抵の場合は借金や対人関係等の恨み辛みが書かれてあり、負のオーラを喰らってしまうことです。
そうすると作業をしている人間のメンタルがやられてしまいます。
作業中も人生について考えることが多く、作業後は精神的にどっと疲れてしまいます。
一つ、自殺現場の特殊清掃をしていて思うのは間取りや雰囲気が自殺をさせる部屋になってしまっているということです。
まず、雰囲気が暗いです。(日陰、壁紙がタバコのヤニで真っ黄色、ゴミが散乱、水回りが汚いなど)
やはり人間長く生活するお部屋は衛生的で前向きに生活できるようにするべきでしょう。
健康な人でも雰囲気の暗い部屋に住み続けていれば体調が悪くなったりするものです。
ゴミ屋敷やゴミ部屋の住人さんが孤独死となった場合は緩やかな自殺(セルフネグレクト)とも言われていますのでたかがゴミ、されどゴミとお考え下さい。
出張お祓い
余談ですが、事故物件の場合はお部屋を清めるということで神主さんにお祓いをお願いすることも可能です。
弊社の場合も数回、ご依頼者様にご提案をしてお祓いに来てもらったことがございます。
料金や流れなどはお見積り時にお話し致しますが、皆さんが思っているほど高額では無いと思います。
気分が晴れるのであればこういったことをするのも一つの手段とお考え下さい。
事故物件の原状回復の注意点
いずれにしても、こういった物件となってしまった場合は起きてしまったことを考えるよりも今後どのようにするのかと前向きに考えて頂きたいです。
提携しているリフォーム会社さんにすぐに依頼するのも”有り”ですが、職人さん達はこういった現場に慣れていなかったり、そもそもがこういった現場に入りたくないという方も多いものです。(道具にも臭いがついてしまいますし)
通常の考え方だと当然だと思います。
リフォームをする前の安全確保のための除菌消毒作業を行い、汚物や体液の撤去などは特殊清掃業者に依頼し、その後職人さんが入室しても問題ないレベルにまで環境を整えてあげることも今後は考えて頂きたいものです。
そして、基本的にはリフォーム業者さんや内装屋さんは見た目の回復は得意ですが、見えないニオイに関する知識や責任を負うかというとそういうわけではありません。
見た目は綺麗になっても、後日入室者から「なんか変なニオイがする・・・」というクレームが来た場合は、施工のし直しや一時引越しなど大変な手間となってしまいます。
最近では特殊清掃業者の存在や必要性を重要視して頂けるオーナー様も増えており、「事故物件にはなってしまったけど、きちんとした形で次の方に部屋をお貸ししたい」という誠意のある方も増えてきました。
やはり、事故物件だから適当で安く済ませようという想いであれば、借主さんにも見透かされてしまいますし、その経営姿勢は社員にも悪影響を与えるでしょう。
ひと手間が加わることで当然余計なお金はかかってしまいますが、安心して住めるようになるなら安い投資だと私は思います。
社名に掲げる信頼される企業を目指す!
リライブル株式会社
0120-669-920
(スマホの場合は上記を押すと電話に繋がります)
・営業時間は9時〜18時が基本ですが、ご依頼者様の都合に柔軟に対応させて頂きます。
・同様に土日祝日は作業はお休みですがお見積りには伺えます。
・遺品整理・生前整理・不用品処分代行などの家財整理全般
・上記に伴う買取も積極的に行っており作業代の削減に努めます。
・孤独死現場・事件現場・自殺現場などの特殊清掃及び消臭作業
・ゴミ屋敷・ゴミ部屋・汚部屋などの片付け及び清掃
・ペットの多頭飼育崩壊現場の糞尿臭の原状回復工事
・火災・ボヤによるスス臭の消臭(保険対応することが多いです)
・灯油漏洩現場の消臭作業(保険対応することが多いです)
・その他、ニオイや凄惨な現場でお困りの方はお気軽にご相談下さい。
【注意点】
・少人数で運営しているため、24時間事務所に電話番が常駐しているわけではなく転送電話にて対応しております。
・せっかくのお電話でも現場作業中ですぐに出られない場合に【非通知設定】だと折り返し電話がかけられない場合がございます。
・お時間をずらして再度電話して頂けると幸いです。
・営業時間外のお電話でもフリーダイヤルにて対応可能です。
・メールは簡易設定にしております。
・再度、詳しい内容をお伺いすることもありますが最低限の必要事項を記載の上、返信をお待ちください。