生活保護受給者の孤独死と相続放棄・・・社会問題です

生活保護と孤独死

こんにちは、リライブル株式会社の鈴木です。

さて、クリスマスも近づいてきましたが特殊清掃業者にはあまりそういったことは関係ない日々を送っておりますが皆さま如何お過ごしでしょうか?

毎日、色々なご相談を頂いておりますが、ここ数年、生活保護受給者の高齢化がすすみ孤独死現場が増えていると実感しています。

厚生労働省がHPで公表している平成31年2月に調査し同5月に発表した結果によると

全国 約208万人
札幌市 約7.2万人
旭川市 約1.2万人
それ以外の北海道全域 6.3万人
北海道合計 14.7万人(全体の7.06%)

14.7万人というと札幌市南区の全人口と同じくらいの数です。

先日も実際にあった件ですが・・・

札幌市某所のアパートで「生活保護受給者が部屋で亡くなっているのを発見された」と報告を受けた親戚が「部屋の片づけと清掃の見積もりをして欲しい」というご依頼がありました。

当初は見積もり後、最低限必要な作業のご依頼を受けましたが、数時間後に「相続放棄するのでキャンセルしたい」という連絡がありました。

生活保護受給者になるのは経済的理由、身体的理由など色々な理由がありますが、そもそも親族との繋がりが薄い、友人との繋がりが薄い、社会との繋がりが薄いなどの理由があり孤独化することが多いようです。

また、資産を持っていることもなく、更に借金を抱えているという案件も少なくなく、孤独死で発見され遠縁の親戚が「相続放棄する」という事例もまた多くなってきています。

配偶者や直系の子どもがいない、懇意にしていた兄弟、親戚が少ないということも時代の変化で致し方ないことでしょうが世知辛すぎる日本になったものです。

※相続放棄をするにも必要書類を集めたり、法務局や家庭裁判所に行くなど時間と手間がかかりますので弊社ではそういった方へ提携している司法書士さんや弁護士さんを紹介させて頂いておりますのでお気軽にご用命ください。

相続放棄 

相続放棄をされると大家さんや管理会社さんも家財道具に手が付けられずにしばらく放置せざるをえません。

合法的に処分するとなると簡易裁判所で申請を出し半年くらい待ってから家財整理の許可を得られますが、そもそも部屋に残っている物は不用品ばかりで資産価値が無い物ばかりなのでそんな手続きをするだけ時間の無駄になってしまうことは言うまでもありません。

実際には片づけた後に文句を言ってくる変な輩が居ない限りは自分たちで片づけてしまうようですが・・・。

最近では物件を借りる際に、そのような事例があると大家さんや管理会社の判断で片づけるという「特例」を契約書に記載しているところもあるようです。(法律できちんと認められているかは不明)

相続放棄した物は誰の物?

相続放棄の孤独死の問題

孤独死、孤独死と言っても死後発見されるまでの時間が早ければ何ら問題ありませんが、異臭がしたり、ハエやウジが見つかって発見された場合は住居部分にダメージがある場合が多いです。

また、弊社のような特殊清掃業者に依頼が来る場合はゴミ部屋状態になっていることもあります。

部屋の状況から察するにアルコールやたばこを摂取して、ゴミ部屋状態にして、孤独死・・・典型的なセルフネグレクト(自己放任)

これが最悪パターンです。

要は国からお金をもらって生活し、自ら健康を害し、部屋の資産価値を下げて放置・・・更に親族は相続放棄。

亡くなった故人よりも、大家さんやオーナーさんの気持ちを察すると・・・。

こういったお部屋を放置すると資産価値が下がりますし、周囲の住民からもクレームとなってしまいます。

数年前から言われておりますが、政府も本格的にこういった問題に本腰を入れて具体策を練らないといけないでしょう。

・賃貸物件の孤独死対応保険の強制加入(年齢に関わらず)

・相続放棄した場合にすぐに家財を撤去出来る制度

これらは今後益々増えるであろう生活保護受給者と高齢化問題の対策として必ず必要となるでしょう。

もう日本は「国民総中間層」などではなく「貧富の差が大きい格差社会」に突入していますし、経済成長率も他国に比べて劣り、世界的に見ても豊かな国ではなくなってきています。

世界でも例を見ない「少子超高齢化問題」は待った無しです!

「8050問題」も深刻です。

孤独死問題を解決する団体〜家財整理相談窓口

弊社も加盟している(一社)家財整理相談窓口は入会時に理事2名以上の現地面談を行い、そこで認められた業者のみが入会することが出来ます。(最近は加盟条件が若干緩くなりましたが弊社が加盟した頃は入会を断られる企業もあり少数精鋭でした)

同じような団体で(一社)遺品整理士認定協会がありますが、こちらは”質より量”の団体でこれから遺品整理を行いたい業者が加盟する団体です。

(一社)家財整理相談窓口は既に各地方で実績、実力があり志高い企業が加盟を許されており環境省、総務省、国土交通省と密接に連携しているので”量より質”の団体と思って良いでしょう。

どちらがいいとか言うわけではなく、どちらもこの業界には必要な団体だと考えております。

また家財整理相談窓口では古くから「孤独死保険」も扱っており少ない掛け金で最高100万円まで出ますし、万が一そういった事例が起きても特殊清掃の実績のある業者が施工をするという仕組みを作っています。

孤独死対応保険 家財整理相談窓口

因みに北海道で正会員となっているのは弊社だけです。

道外では実力はどうあれ特殊清掃業者は増えているそうです。

しかし、肝心の北海道では特殊清掃業者が増えている実感はありません。

ガラパゴス化しつつある北海道ですが弊社では、来年1月28日に東京で同団体の理事会とセミナーがあるので私と部長と2人で参加し、国の政策の最新情報を仕入れてくる予定です。

家財整理相談窓口

最後にご紹介を・・・

時が止まった部屋 特殊清掃

「時が止まった部屋」 小島美羽・著

色々なメディアでも話題になっていることもあり知っている人も多いと思いますが、これはお奨め本です。

本としては言葉は少ないのですが、ミニチュアを作成しビジュアルで訴える力が強く、私たち特殊清掃をしている者が見ても「リアルだ!」と感じる本です。

当ブログでも写真を掲載する際はモザイクをかけることが多いのですが、この方法だとモザイクをかける必要がない手法ですし、これだけ精巧な物を作るには熱意と根気がいるでしょう。(私もプラモデルを作っていた時期があるので、いかに時間と手間がかかるかは想像できます)

最近ではYouTubeで「お片付け請負人すーさんTV」を運営しているブルークリーン㈱鈴木亮太さんの活動もそうですし、”新しく伝える手法”を世に広めている若い人たちがいて頼もしく感じております。

先ほどの小島さんも鈴木さんともまだ直接会ったことはありませんが、この業界にいる身であれば会ってみたいと思う人たちです。


最後に言いたいことは・・・

「孤独死を他人事にせず、自分事で考える機会を作る」ことが大切であり、前回のブログにも記載しまいたが「死」をタブー視することなく、普段から考えてもらう周知活動も必要、万が一起きてしまった時のことを事前に考えておくリスクマネジメントも必要というお話です。

生活保護受給者や携わる人たちへの悪意はございませんのでご了承ください。

ご相談、お見積りは無料ですのでお気軽にご連絡下さい。

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