警察からある日、「ご親族が孤独死で・・・」と電話が来たら?

こんにちは、リライブル株式会社の鈴木です。

先日、札幌市東区の孤独死現場の特殊清掃が終わり引き渡しを行いました。

今回ご依頼頂きましたS様は弊社のブログをよく読んで頂き、数ある特殊清掃業者の中からご指名を頂きました。

「どこでもいいからやってほしい」というわけではなく弊社をご指名して頂けることは大変光栄に思います。

「札幌市で一番孤独死案件の特殊清掃を行わせて頂いている」という自負もありますので施工には自信がありますので頼りして頂いて結構だと思います。

【現場説明】

故人は叔父様で死後、数週間で発見されたそうです。

ご自宅を訪問してみるとじゅうたんは真っ黒、ハエ、ウジの死骸が大量にありました。

これではご遺族様は入室出来ない状況ですし、気丈に入室しようとされる方もいますがあまりお奨め出来ません。

最初は気が張っているので大丈夫ですがやはり肉親の死は心のどこかに負担がかかってしまうものです。

あまりにも凄惨な現場の場合は脳裏に焼き付きPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こしてしまう恐れもありますのでプロにお任せ下さい。

現場見積に伺った際も価格を提示する前からS様には「お願いします」と言って頂きましたが、金額は大切です。

1.見積書を渡しているか?
2.作業内容は細かくかかれているか?
3.作業後の追加料金はないか?
4.臭気はどれくらいまで落とすか?
5.リフォームは必要か?・・・など

お互いに確認しなくてはいけません。

孤独死は殺人や自殺とは違って「自然死」ですので賃貸物件の場合は大家さんと原状回復をどこまで行うかについて話し合う必要があります。

今回は最低部分の一部解体のみでリフォームのご提案はしておりません。

しかし、必要な場合はご提案をさせて頂きますので無理になんでもかんでもお金がかかるようなご提案は致しませんのでご安心下さい。

作業順に説明をさせて頂きます。

特殊清掃のおおまかな流れ

見積もり後の翌日の8/22に一回目の作業を行いました。

本来なら一日で全てを終えることが理想なのですが、作業工程上やむを得ない場合があります。

無理をすれば出来ないこともありませんが、作業時間を無視することで近所迷惑になってしまったり、時間に追われ作業が雑になっては満足のいく施工が出来ないからです。

入室前に故人に対して合掌の気持ちを忘れずに・・・。

まずは一番、ニオイを発している箇所を処理しなくてはなりません。

写真中央区部が一番汚染されている箇所です。

周囲の荷物も同時に片付けながら、床を作業場所を作っていきます。


ジュータンの場合は、まずは汚染された箇所を中心に切り取ってしまいます。

床も汚染されているのと、階下の方からハエが発生しているという話を事前に伺っていたので床下まで体液が浸透していなか確認のため電気のこぎりで床を切り取ります。
(※このような作業を行うことは事前にご依頼者様には通達済みです)

下記の写真は上部を一枚切り取ったところですが、2か所の黒丸のところがクギを中心に若干浸透しておりました。

後日、家財の搬出作業があるので玄関口に近かったので今回は2枚目の部分は切らないようにしました。

不幸中の幸いで滲出箇所が若干でしたのでそれほど影響はないだろうという判断です。

切り取った床材の一部とカーペットを業務用のラップでぐるぐる巻きにして、更に防水能力のある布団袋で包みます。

臭気をなるべく漏らさないようにするためです。


廃棄をすることが出来ればよいのですが、ゴミ収集車の手配が間に合わなかったので室内に置いておきます。

しかしこれだけでも応急措置としてかなり臭気を抑えることが出来ます。

そして、粗消臭として、オゾン脱臭機をセットし1時間ほど待機します。

こうすることで、オゾンの殺菌力と消臭力で防臭マスクが無くても作業をしやすくできます。

室内に物があるので完全な消臭とはいきませんが、当初の臭いから比べると格段に臭いは落ちますので弊社では『粗消臭』と言っています。

家財が無くなって、清掃も終わった後にする消臭は『仕上げ消臭』と言っています。

臭気の強さによっては数回オゾン脱臭を行います。

遺品整理、遺品探索

下記写真は同日に換気を行ったあとでご覧のように防臭マスク無しに作業を行っております。

ですから、孤独死が発生してしまったご遺族様が「自分たちで遺品整理、遺品探索を行いたい」という場合でも短時間~半日ほどで入室可能レベルまで作業することも可能です。

その後、「自分たちでも納得して遺品探索できたので不用品となった残りの家財は廃棄してください」というご依頼パターンも増えてきました。


今回、ご依頼者様から探索品の依頼があったのが実印、国に返却するような書類関係、投資信託の関係書類、公共料金などの支払いの請求書などでした。孤独死現場の場合はたいていはそういった物は見つかります。

また、現金も大小はあれども出てくることが往々にしてあります。
(※全く出てこない現場は無いとも言えます)

今回の現場でも千円札が21枚と小銭が発見されました。

ですから、作業後にお金の返金がない業者はネコババしていると思ってもいいくらいでしょう。

なぜなら、自分の立場に置き換えて欲しいのですが、「自分がいきなり死ぬ」とは思っていないで生活しているわけですから幾ばくかのお金は手元に置いておきますよね?

小銭を貯金している、何か不測の時のために置いておくなどは想定されます。

目につくような場所にあるお金や財布は警察が一時的に保管しますが、箪笥や食器棚などにあることが多いです。

地域柄、県民性の違いなどはありますので一概には言えませんが本州に比べると北海道はタンス預金率は低いので額は小さいですが・・・出てきます。

格安業者に依頼してみたけど何にも戻ってこなかった・・・という場合は支払った作業料金以上に現場でネコババされていることも想定されます。

弊社としては作業料金以外は頂かないというスタンスで現金は勿論、貴金属など換金性の高い物については必ずお返し致します!

悪い噂は同業他社間ですぐに流れますので「価格だけではなく、信頼や安心で業者を選んで頂きたい」というのが弊社の想いです。

家財搬出と簡易清掃

ここからは上記のお話とは別日の8/28に作業を行いました。

搬出作業を行い、その後退去マナー清掃を行っております。

作業前


作業後

作業前


作業後


消臭剤散布


仕上げ消臭

札幌市環境事業公社さん(一廃許可業者)のパッカー車で家財廃棄。

特殊清掃業者が行うブログ掲載の意味

「特殊清掃やります」とHP上に表記していても実際にはやっていない、大したレベルではない業者も沢山ありますのでよく見比べてみてください。

ブログでの情報公開量・掲載内容が決め手だと私は思います。

”個人情報保護のため公開していません”という業者ほど信頼してはいけません。

弊社でも当然、ブログ公開許可を頂いていますので掲載を望まない方は掲載しておりませんし、掲載しているからこそこうして信頼してご依頼を頂けるのだと思っております。

特殊清掃業者に依頼するということ自体が人生で何度もあるわけではありませんし、一度も経験せずに終わることのほうが多い職種です。

それほどレアな職種ですが、いざ困ったことになったら「プロっているの?」と困った状況になってしまいます。

そんな未知の世界のことを依頼するのに情報開示されていない業者に依頼するのは私が逆の立場だったら「怖い」と思うことなので、ブログ掲載を続けさせて頂いております。

今回、ご依頼を頂いたS様もそういった主旨をご理解頂き、掲載許可を頂いております。

何も自己顕示欲だけで掲載しているわけではありませんのでご理解下さい。
(これだけの内容の物を作るのと継続していくのは結構大変なのです。)

今回ご依頼頂いS様からも作業終了後「やっぱりプロにお願いして良かった」と感謝の言葉を頂き疲れも吹き飛ぶ思いでした。

差し入れも頂き、ありがとうございました。

今後の北海道の特殊清掃業者

超高齢化社会に歯止めがかからず、益々多死社会(生まれる人口より死んでいく人口が多い社会)が進行します。

孤独死も今すぐに防止できる対策があるかというとまだ決定打はありませんから、発生してしまった現場を処理する業者は必要です。

・・・にも関わらず、北海道では【真の特殊清掃業者】と言える企業は少ないです。

「特殊清掃 〇〇市」とか「特殊清掃 北海道」と検索すればずらずらとWEBが出てきますがその中で一体どれくらいの企業が特殊清掃業者と言えるか?

私が思う真の特殊清掃業者は残念ながら少ないです・・・。

特殊清掃と遺品整理は似ている業種だが全く違う

特殊清掃は遺品整理と違って、スタッフの適性(血がダメ、虫がダメ、死臭がダメ、霊感が強い・・・などなど)もありますし、ニオイが遺品(≒商材)に付着しているのでリサイクル品として向かないのでリサイクルショップ運営系の遺品整理業者は率先して参入してきません。

また、消臭道具も特殊な物が多く高価ですし、「勉強」と「経験」が必要な業種ですので開業して”誰にでもすぐに出来る”というわけでもありません。

そして、機材は揃えたけど「志」はあるか?

「志」はあっても「企業経営」をしていけるか?

・・・という風になると更にふるいにかけられてしまいます。

多くの人は困っている人の役に立ちたいという気持ちや志はあるのですが、肝心の集客力がない、経営力がない、ということで半年、1年と持たずに廃業していく人が多いのが現実です。

その逆に”お金がさえ儲ければいい”という考えの経営者であれば、それはご依頼者様に見透かされ永続していくのは難しいでしょう。

志はあっても経営は疎かで法令順守していない、納税していない、社員の労働環境整備(ブラック企業)を行っていないなどではいけません。

いくら、志が高くても『社会に認められない企業は永続しない』というのが過去の歴史が証明しています。

「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一氏の「論語とそろばん」を実践しなくてはなりません。

弊社は全国でも少ない完全独立資本の特殊清掃・家財整理専門店として営業を行っております。

大抵の業者は母体企業なり、母体事業部があることが大半です。(主に廃棄物処理業、不動産、管理会社、運送会社、保険会社、人材派遣会社、葬儀会社などが母体となっている)

それくらい、特殊清掃のみで運営していくのは大変なことあり、皆様のご支持がなければ続けていくのが難しい職種と言えるでしょう。

全国的に見れば高齢者を脅して契約するような悪徳業者の噂が絶えませんが、それでは業界全体が白い目で見られてしまいます・・・。

良質な業者が生き残るように企業選択して頂ければ幸いです。

弊社に相談したから、弊社に見積もりを依頼したから依頼しないといけないということは決してありませんのでお気軽にご相談下さい。

札幌市や北海道以外の地域にお住まいの方からのご相談やご依頼も増えてきました。

宜しくお願い致します。

社名に掲げる信頼される(Reliable)企業を目指す!
リライブル株式会社
0120-669-920

関連記事