【特殊清掃】もしお風呂で人が亡くなったときはどうしたらよいですか?

こんにちは、札幌市を中心に活動しています特殊清掃専門店リライブル株式会社、代表取締役の鈴木です。

本日は、札幌市中央区のマンションでお亡くなりになってしまったお部屋の遺品整理に伺わせて頂きました。

今回ご依頼を頂いたのは関東在住のM様。

札幌市で一人暮らしをしていたお母さまがお風呂の浴槽内で死後4か月経ってから発見されたそうです。

警察から連絡があったあとにすぐに札幌に駆け付け、葬儀、火葬、そして遺品整理見積もり・・・そして翌日には帰宅とかなり慌ただしいスケジュールだったとお聞きしました。

身体的にも精神的にもお疲れのことだったと思います。

ご親族様が急に亡くなるとバタバタしているうちは良いのですが、気が抜けた時にドッと疲れや悲しみが押し寄せてくると聞いていますのでまずは”御身第一”に行動して頂きたいと願います。

ご遺品整理現場の詳細については省かせて頂きますが、お風呂で亡くなる方も多いので今回はそのお話を中心にしたいと思います。

※ショッキングな画像はモザイクをかけていますが、苦手な方はここで離脱してください。


お風呂で亡くなる方は意外に多い

「死体はこう言った(監察医 上野正彦・著)」の数字を参考にさせて頂くと

「死因」の話なので特殊清掃業者にとっても参考になるお話がたくさん載っています。

東京都監察医務院の調査では2018~2022年の5年間における入浴中検案数の年間平均件数は1478件であった。

そのうち65歳以上が占める割合は男性87.6%、女性94.1%と、そのほとんどが高齢者であると発表された。

東京都の一年間の交通事故死者数が146人(警視庁調べ2024年中)であるから、入浴中に亡くなる人が如何に多いかがわかる。

「酔って風呂で寝てしまうとそのまま溺れて死んでしまうから危険だ」という話を聞きますが。睡眠薬を飲まない限り、風呂場で寝てしまったとしても水を飲んだ苦しみで意識が戻るそうです。

大抵は病気が原因で意識を失い、水を飲んでも苦しさを感じられずに溺死することが多いようです。

ヒートショックがよく話題になりますが入浴中の熱中症による気絶→溺死と聞きます


お風呂の特殊清掃について

お風呂の特殊清掃については色々な考え方、作業の仕方があるので一概に「こうだ!」とは言えないことを前提にお話を進めます。

お風呂場で亡くなるパターンは部屋の中を汚したくないと考えての自殺、他殺(殺害した後に浴室に放置)、入浴中の病死による溺死(発見が遅れると孤独死)など色々あります。

亡くなってすぐに発見されお風呂場からご遺体が運ばれれば通常のお風呂清掃と変わりないのですが、発見が遅れるとお風呂場の状態が悪くなることが多いです。

そして、血痕や体液、肉片などは長時間、FRP(一般的なお風呂に使われる素材の一つで強化プラスチック)の上で放置されると跡や臭いが強く残る場合が多いです。

※下の写真は今回の現場とは別の現場です。

風呂場で自殺し発見が遅れ、粘土状になっていたお風呂


色素沈着や臭い

お風呂は水をはじくのでシミなんて生じないと思うでしょうが、意外にもシミが残ります。

FRPは表面はツルツルしていますが、実は細かい繊維がクロスして出来ている素材で、表面のコーティングが経年使用で薄くなっていたり体液で侵されてシミが出来てしまいます。

「身体の跡がハッキリと残る」

「ジーンズなどの服の色や跡が残る」

そして、色素やニオイも簡単には落ちないです。

血液もなかなか簡単には落ちてくれないので何度も何度も濯ぎが必要です。

※下の写真も今回の現場とは別の写真です。

お風呂場で手首を切って自殺された現場の写真です


お風呂を綺麗にする4つの方法

①染み抜き

②研磨

③塗装

④交換

上記4パターンかと思います。

そして、この4パターンのうちどの方法を取るかはオーナーさんや管理会社、ご遺族様の考え方や予算や時間によって変わります。

メリットとデメリットがあるので一概にどれが良いとは言えません。

例えば、表面上だけ綺麗にして、あとは丸ごとリフォーム業者が交換するというパターン(デメリット:リフォームにお金がかかる)

見た目さえ良くなれば「研磨」か「塗装」で対応、もしくはその両方をするパターン(デメリット:研磨してコーティングしてもそれが剥がれると見た目の劣化、カビが生えやすくなる、ニオイは消えていない)

時間をかけて「染み抜き」をする(デメリット:誰にでも出来るわけではないし、時間がかかるので割高になる傾向)

研磨、塗装、染み抜きをするだけ時間の無駄(費用対効果が悪い)というような重篤な場合は、交換してしまった方が早く確実だという場合もあります。

テストで研磨してみてうまくいかなかったら、最終的には交換というパターンもあるでしょう。

最適な方法は話し合いで決めるのが一番かと思います。

最後は排水管洗浄もした方が良いのは言うまでもありません。

最善、最適な方法をご提案させて頂きたい


お風呂のニオイを取るなら大変

FRPの他に床がタイルや石素材でもプラスチックやコーキング部分、ゴムパッキン等に「染みこんだ臭いを取る」のはかなり大変です。

湿布やジェル状にした薬剤を使用したり、アルカリ、酸性の洗剤を繰り返し時間をかけて使うので手間・暇がかかります。

どれだけ臭いを落とすのかは、「貸す側」と「借りる側」で話し合いになります。

無臭にすることが良いのですが、かなり難しいと感じています。

※これも今回の現場とは違う写真です。↓

汚れを落とした後に消臭効果の高い洗剤を使用して再度洗います


孤独死保険がもっと広がれば良いのに

ニオイを取るには時間をかけて作業→確認→作業→確認と時間と手間がかかります。

ビジネスである以上、人が動けばお金がかかります。

消臭作業が長期化すればするほどお金がかかるという事はご理解して頂けると思います。

孤独死保険などに入っているならお金のことに悩まずに済むので精神的苦痛がかなり減ると思います。

大体はお金のことで悩むのでこういったことは「今後、保険対応できる世の中になればいいのに・・・」と特殊清掃業者側としては思っています。

孤独死保険はもっと世に広げないといけないと思います!


業界全体の為にも低価格すぎる作業は避けたい

また、保険金を利用することで「適正価格」でお仕事が出来ますので業者同士の低価格競争もおきません。

低価格競争に巻き込まれると結局、”良い人材”が集まらない。

良い道具、良い薬剤を使えないなどデメリットの方が大きいです。

最終的に優秀な人材が集まらない業界は有象無象の集まりになり、依頼者様が迷惑をこうむることになってしまいます・・・。

”大変な仕事なのに給料が安い”のであれば誰もやりたがらないのは当然のことです。

人材不足、人手不足が様々な業界でも問題視されていますが特殊清掃業界も同様です。


お風呂の特殊清掃実例

話は少し戻りますがM様とLINEでやりとりをしている際に保証会社さんから「退去清掃はこちらでするので特に清掃はしなくてもいいです」という話だったそうです。

しかし、現場を実際に見てみると「この状態を普通の清掃会社さんにさせるのは気の毒じゃないですか?」ということで遺品整理と並行して作業できるので格安で特殊清掃を提案させて頂きました。

夏場は大変な作業

お風呂の特殊清掃は写真のようにフルフェイスマスク着用、防護服着用での清掃となります。

感染症や汚れから身を護るために使用していますがマスクも防護服も通気性が悪いので結構、大変な業務なのです。

それほど重篤に汚れているわけではありませんが、水分に触れると臭いが強く出てきます。

重篤では無いと言えど普通のお風呂掃除よりは時間がかかり約1時間半の作業でした。

【清掃のビフォーアフター】


作業代について

作業代に関しては1Lのご遺品整理代と合わせて約16万円です。

お風呂単独の清掃だと「初動パック」で7万円(税別)ですが、今回は前述のとおり遺品整理作業もあるので内訳としては風呂清掃1.5万円です。

防護服は使い捨てですが5千円近くする良い物なのでそう考えると高いと思いますか?

自分で行うのも良いですが、結構、体液や血痕汚れは取れにくいので道具も必要になりますしそのほとんどは使い捨てです。

また、風呂掃除なのでお湯を使用したくなりますが、高温になるとタンパク質が固まるのでお勧めしません。

冷水での清掃をお勧め致します。

もし、お困りの方はお気軽にご相談下さい。

尚、北海道全域対応しているますが、遠方の場合は出張料が別途加算されるのでどこまでがいくらかかるのかはお問合せ下さい。

当ブログの他にも↓にスクロールすると関連記事がありますので併せてご覧いただければ幸いです。


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・その他、ニオイや凄惨な現場でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

【注意点】
・少人数で運営しているため、24時間事務所に電話番が常駐しているわけではなく転送電話にて対応しております。

・せっかくのお電話でも現場作業中ですぐに出られない場合に【非通知設定】だと折り返し電話がかけられない場合がございます。 ・お時間をずらして再度電話して頂けると幸いです。

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