こんにちは、リライブル株式会社の鈴木です。
西日本を襲っている未曽有の水害が連日報道されていますが、物凄い被害ですね・・・。
あまりの広範囲の被害状況と死者・不明者の多さに言葉を失うばかりです。
ここまで広がると復旧には数十年もかかるのではないかと思います。
避難所生活を送ることになったり、仕事場も水浸しになったりと身体的にも精神的にも今後大変な苦労をされると思いますが希望をもって生活して頂きたいと切に願うばかりです。
また救助活動にあたっている自域住民の方たち、自衛隊、レスキュー隊などの方々にも頭が下がる思いです。
実際に罹災されてしまった場合
もし家屋が被害に遭ってしまった場合は勝手に片づけずにまずは冷静になり写真を撮りましょう。
外部、内部、至る所を写真にとっておくことで保険会社に請求するときに必要になります。
その後、「罹災証明書」をお住いの市町村に発行してもらいます。
ここで「全壊」、「半壊」、「一部損壊」などの査定をしてもらいます。
罹災証明書で調べると詳しく説明してくれるサイトがあるのですが、簡単に記載しますと固定資産税や国民健康保険が一時的に減免や猶予される可能性があります。
支援金や義援金などの支給を受けたり、災害復興受託融資が受けれたりします。
まずは役場に行き罹災証明書を発行してもらいましょう。
(※似たものに罹災届出証明書、被災証明書などがありますが役場で確認してください)
家屋周辺のゴミ
廃棄方法も普段とは違う対応になることが大半です。
「とりあえず道路に出しておけばOK」ということが多いようですが、高齢者だとそれだけでもかなりの重労働になってしまうのでボランティアさんや周囲の手助けをかりた方が良いでしょう。
また水害の場合は汚泥や汚水などで普段よりも水分を含み重くなっています。
まずは自分の体調管理が第一です。
それで体調を崩してしまうと周囲にも余計に迷惑をかけてしまいますし、病院も設備が整っていないので更に大変なことになってしまいます。
「自分だけ何もしないのはもうしわけない・・・」という気持ちは十分わかりますし、周囲の人もそれは理解出来ますから無理はしないほうがいいです。
夏場は熱中症の恐れもありますから弱った体に重労働は酷です。
床下、床上浸水の特殊清掃
汚水が家屋に浸入した場合、水と一緒にゴミやよくわからない物も流れてきます。
下水道の汚物なども混ざりますからとても不衛生です。
水が引いて表面上だけを綺麗にしても床下を放置しておくと高温多湿でカビなどが発生しますし、汚物なども流れてきますので雑菌が繁殖してしまい悪臭の原因、体調不良の原因となりかねません。
まずは汚水が引いてライフラインが回復しないと復旧作業は入れないことが大前提です。
電気、綺麗な水、排水設備が必要だからです。
床上浸水にしても床下浸水にしても床を剥いでしまわないといけません。
場合によっては壁も剥ぐ必要があります。
床下・床上浸水の簡単な作業の流れ
※下記の写真は灯油漏洩現場ですが同じような作業内容です。
①徹底した洗浄と汚水回収
高圧洗浄機で大きな汚れを落とし、バキューム掃除機、エクストラクターで汚水を回収。
②送風機や扇風機などでよく乾燥させる。
急激に乾燥させると木材などの躯体に影響があるのであまりストーブや熱を使用しない方がいいと思います。
この作業が少し時間がかかります。
③OST法を用いた3D清掃
オゾン発生器を使用しオゾンの殺菌力を利用した殺菌をすることで菌の繁殖を防ぎます。
④バイオプロティクス工法
最後に善玉菌などが混ざったバイオ系の消臭剤を散布してあげるとより効果的でしょう。
菌は何も悪い菌ばかりではありませんし、うまく人間にとって有益な菌を使うことで悪い菌が増えないという利点もあります。
これらの作業が終了し最後に床のリフォームとなります。
リフォーム会社さんがこの作業をしてくれるような優秀なところだといいのですが、そんな時間も予算もないということで床下の処理をきちんとしないで床だけ綺麗になっても後日再施工となる例が全国各地であるようです。
大規模水害だと「そんな時間の余裕はない!」というのかもしれません。
確かにその通りですが、それでも床下床上浸水を経験された住宅で悪臭や体調不良を感じたら床下を疑って下さい。
表面上は何ともないように見えますが意外に内部はとんでもないことになっていることが多いです。
ある程度落ち着いたら再施工を試みるのが良いかもしれません。
被害がひどい場合は無理に復旧せずに家屋解体して、引っ越しをしてしまう思い切りの良さも必要かもしれません。
理想と現実には乖離がありますから致し方ありません。
災害に対して思うこと
ここ最近・・・というわけではありませんが、大雨、地震、津波などやはり自然の驚異に対しては人間の力なんて小さいものだと感じずにはいられません。
テレビを見ていると水に沈んだ車や屋根しか見えない家、流れてくるゴミなど人間が作ったものがいとも簡単に流されていくシーンが目につき、それが逆に大量にあふれて復旧を難しくするだろうと思えます。
物質的に豊かになったからこそ、町全体が壊滅的ダメージを負うと復旧にも時間がかかってしまいます。
まして今回は一か所とかではなく広範囲の被害です。
昔のようにモノがあまりない時代だと元々が無いので諦めもつきますが無くなった物、失った物が多いとそれだけ深刻なダメージとなってしまいます。
やはり「ミニマムな生き方」をしないといけないのかと改めて感じています。
「より豊かに」、「より便利に」と願う”人間の欲望”が被害を殊更大きくしているのかもしれません。
今一度、物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさに原点回帰する時代になっているのではないかと感じずにはいられません。
昔見たテレビでマサイ族の長老が「テレビ局が世界のあちこちから来て携帯だのラジオだの便利な物を置いていくがこれは余計なお世話だ。進んでしまった文明は決して元には戻れない。」という言葉を思い出します。
あえて昔ながらの生活や伝統を守り続けるのも難しいことです。
不便なことによって失われる命もあるでしょうが、それはそれで致し方ないことと受け入れること、自然に任せること、自然と共生すること・・・。
これはマサイ族の長老の言葉が”深い”と思うのは私だけでしょうか?
産業革命を成した人類は爆発的に人口が増加し、現在ではインターネットの影響で世界の狭くなり進化は爆発的に進んでいます。
最終的にはどこまでも進んでしまい”人類が生んだ文明・兵器で人類が滅ぶ”ということもそう遠くない将来のような気がしてなりません。
家財整理を行う者が思うこと
自分も一軒家に住んでいますが、この家財整理の仕事をして他人様のお宅の片づけをさせて頂くたびに自分に置き換え「こんなにモノは要らないなぁ」と思うことが度々あります。
買うにもお金がかかり、捨てるにもお金がかかる時代です。
廃棄方法は複雑になり、捨てることも簡単には出来ないです。
また「捨てるには惜しいけど、実際には使わないだろうな」という眠らせている物が多くなってきたと思います。
無駄な物を置いておくスペースがあるというのは贅沢なことで、狭い部屋に住んでいればそんな余裕もないのですが・・・。
自分的にはシンプルな生活をしたいと願いますが、家族が居るとそうはいかない現実もあります・・・。
これまた現実と理想の乖離です。
我が家もハザードマップでは浸水する地域に住んでいるので大雨が降るたびに心配をしています。
自宅は床上浸水などに遭った場合に保険対応されるのか保険会社さんに電話確認してみたところ、浸水も保険対象に入っていると聞いて一安心した記憶があります。
保険内容の確認・見直しなども平時に行うことが大切かもしれません。
片付けを考えたら・・・
「物が多いなぁ、片づけたいなぁ」と思ったら、すぐに自分で行動しお片付けをしてみましょう。
行動することが大切です。
一度捨てだすと楽しくなるかもしれません。
もし時間がなくて挫折してしまった・・・という場合も多いです。
でも金銭的余裕があるなら専門業者に相談することもお考え下さい。
お金で解決できることは専門職に任せることで、時間を有効に使えます。
一時的な出費は痛いかもしれませんが、その後豊かな人生が送れるようになるのであれば未来への「投資」と思えるかもしれません。
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