北海道の遺品整理業界の現在

こんにちは、リライブル株式会社の鈴木です。

2年ぶりに遺品整理士認定協会さんが4月に北海道セミナーを開始する知らせをうけました。

ここ最近、遺品整理や生前整理の仕事に携わってきて思ったことがあります。

近年、高齢化社会から超高齢化社会へなり、今後は多死社会となるのが間違いない日本・・・

高齢者が増えるので遺品整理や生前整理の仕事が増える!

ビジネスチャンスだと捉える方も多くいて、起業独立したり異業種から新規参入したりという方が多かったです。

ですが、北海道の現在はそれほど盛り上がりもないのが現状ではないでしょうか・・・。

北海道の遺品整理の特徴

何個か理由があると思うのですが、本州企業との圧倒的な差は北海道民は「遺品」というよりは「不用品処分の延長」と捉えているクールさがあります。(札幌市圏外はまだ素朴さを持ち合わせているようですが)

これを良いとか悪いと言うつもりはありませんが、もともと遺品整理などの仕事は「人の役に立ちたい」という想いや「感謝される仕事をしたい」ということが動機で始めたいという方が大半です。

中には涙目で感謝してくれるようなご遺族様もいますが、実際は思っていたよりも「感動」や「感謝される」ような遺品整理現場に出くわす前に廃業してしまう方も多いのではないでしょうか?

また、北海道自体の歴史が短いこともあり先祖代々から伝わる骨董品や家財道具などもほとんどなく、金銭的価値があるものはリサイクルショップで換金して、残りの家財は「不用品として処分してほしい」という方が多いように感じます。

家の造りも本州のように昔ながらの造りであったり、蔵があったりというのはまずないです(小樽や函館など江戸時代末期も栄えていた街は例外です)


本州企業ではこれら骨董品やアンティーク品などの買取を目的に遺品整理を行っている業者もいます。

場合によっては一点で数百万円するような「お宝」も発掘されるのでリサイクルショップを営む遺品整理会社などでは力の入れようが違います。

北海道の場合は「儲かる」と思って始めた方は「全然儲からないじゃん」ということで撤退していきます。

特に全く関連のない業種からの新規参入は殆ど生き残っていないと思います。

遺品整理業の実態

実際に起業してみると、まず依頼がそれほど来ない・・・。

ホームページを立ち上げ、広告やチラシを出し、営業にも行ってみるがすぐに効果は出ません。

せっかく見積もり依頼の電話が来ても、他社との相見積もりで負け、依頼が来ない・・・。
(※やり始めの方は海外輸出業者の付き合いや買取などで価格差が付くため価格競争で負け、作業スタッフの質も経験値も低いため売りがないのでなかなか受注することが出来ない)

仕事を受けられないと”経験値”もたまらない。

ですから、価格を下げてようやく仕事を頂けるが徒労感ばかりが残り、利益が残らない・・・。
そのうち「思ったよりも大変だった」ということで廃業・・・。

という流れではないでしょうか?

遺品整理業界はすでに隆盛期ではなく淘汰期もしくは安定期に入っており、一昔のように「業者が少なく、利益率が高い」という時代ではなくなっています。

「業者は多く、利益が少なく」が当たり前の中で「いかにお客様から選んで頂く企業になっていくか?」というステップになっていますので、一からの新規参入はかなりハードルが上がってきています。

特殊清掃の重要性

さらに、今や遺品整理が出来るのは当たり前で、特殊清掃も行える業者ではないと全国的にみても生き残っていくのは難しいでしょう。

遺品整理、生前整理などの家財整理系の仕事のみだけでは、依頼が来ないようになっています。

ですから、よく他社さんのHPを見て頂ければわかりますが、遺品整理と特殊清掃はセットのように記載されています。

実態は特殊清掃の技術や経験がない企業の方が大半です。

それはブログや実際に行った写真などを掲載していないところは怪しいと思ったほうがいいです。

※作業に満足して頂いた方は写真掲載などの承諾を頂けることが大半ですが、満足していない、納得していない業者にはそういった協力はしないはずです。

実際には作業していないのに、「お客様の個人情報保護で・・・」などと言っている業者さんも怪しいです。

札幌市に限って言えば、かなりの確率で特殊清掃の技術力は低いと見て良いでしょう。

全国的に見ても現場写真掲載しているHPが大半ですので是非本州の特殊清掃業者もご覧ください。
人気がある、実力がある企業はそうしてお客様からの支持を獲得しています。

覚悟はあるか?

遺品整理はやりたいけど、特殊清掃は汚いし、臭いからやりたくない・・・」という方が時折います。

そんなことでは「人の役に立ちたい」という気持ちが薄いと思わざるを得ません。

「超高齢化社会だし、老人はたくさん死んでいくから、めっちゃ気軽に稼げそう」というように見られていますが、そんなに甘い職種ではありません。

また、遺品整理業は重量物が多かったり、意外に肉体労働です。

仕事を定年退職したので「老後に人の役に立って活躍したい」と思うのは結構ですが、階段4階作業などもありますのでかなりハードなことは覚悟しておいてください。

特殊清掃も夏場に防護服、防臭マスク、ゴーグルで熱い中での作業ですので脱水症状を起こす一歩手前の作業です。

収入もしばらくは安定しないでしょう・・・。

それでも、本気で「やりたい!!」

そんなことは言っても、「遺品整理業に携わりたい!」という方はご相談下さい。

例を挙げると

〇「遺品整理の虹の架け橋」さん
〇北清企業の「生き活きサポート」さん
〇「札幌クリーンエージェント」さん
〇「便利屋アイウィル」さん
〇「遺品整理のみらい」さん

上記は現場研修や見積もり同行などで当社に声掛けして頂きました。
現在も仲良くさせて頂いております。

その他、個人、同業他社さんで食事をしながら相談や実体験をお話させて頂くことも多々ございます。

〇「遺品整理のまごころ」さんは最近相談をうけ、3/3~3/15まで関東で著名なマインドカンパニー・鷹田代表にお願いをして東京で特殊清掃現場体験武者修行に行っています。

当社では特別それで講習料を頂くなどは一切ありません。

この業界全体が良い方向に向かって頂き、同じ「志」をもった方が増えていくことを願っています。

「自社だけ、自分だけ儲かれば良い」

そういった考えではいずれ身を滅ぼすことはわかっています。

また業界全体に法令順守の意識がないと依頼される側も不安でしょうし、これからこの業界で頑張りたいという方も増えていかないでしょう。

北海道は広大です!

まだまだ、優秀な業者さんが増えても市場的には問題ないでしょう。
むしろ、各地方で優秀な業者さんが切磋琢磨していくことで良いサービスが生まれてくることを願っております。

今回は業界向けの内容ですので、ご依頼を考えてくれている方は他のブログをご覧頂けると幸いです。

相談、見積もりは無料です。

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