さて、そんなわけで今回は何度か特殊清掃のご依頼を頂いている管理会社様からの紹介です。

故人は６０代前半、推定死後１週間位で発見されたそうです。

玄関近くでお亡くなりになっていたのでもしかしたら玄関に助けを求めに出ようとして息絶えてしまったのかもしれません。

結構、玄関近くで亡くなってしまう方は多いんです。

ベッドやソファーの上で亡くなる場合はこれらが体液の漏れを抑えてくれる場合がありますが、玄関の場合は空間が狭く巾木や玄関のタイル目地やモルタルなどに体液が直接染みたりして解体が必要になってしまうケースもあります。

今回はなるべく解体をしないで消臭を行いたいと思います。

消臭作業の内容は全三回作業予定のうち第一回目になりますので結果を後日のブログで紹介できればと思っています。

「以下、現場作業前の様子」

体液が漏れて染み込んだ場所は解体をした方が確実で早く臭いを消すことが出来るのですが今回は事情があり、なるべく費用をかけないようにすることが第一優先です。

今回、故人は身寄りがなく高齢な叔父夫婦が連帯保証人になっており、20年くらい音沙汰がない状態だったそうです。

その高齢な叔父夫婦が突然、この部屋の片づけの依頼者となり数十万円の負担をしなくてはならないのです。

連帯保証人の場合は、家賃の不払いの肩代わりの他に原状回復に関しても責任が生じてしまいます。

2020年に120年ぶりに民法改正が行われ「連帯責任人はどこまで補償しなくてはならないのか？」についても見直しがされましたが、まだ判例が少なく今後色々と変わってくると思いますが現状では相続放棄も出来ない状態です。

そんなこともあり、なるべく解体、リフォームを生じさせないように考えております。

あと、音信不通だったこともあり生命保険や貯金などの資産状況、借金があるのかなども知っておかないといけないので請求書やそういった書類を探索しながらの遺品整理となります。

１Ｌで場所が狭いですが、工夫しながら作業を進めていきます。
※今回は写真少なめです。

健康保険証や印鑑なども見つかりました。

払い込みを続けていれば生命保険の受取人も叔父さんになっていた書類も発見しました。

恐らく故人も独り身だということで後始末のことを考えていたのかもしれません・・・。

配偶者も子どもも親も兄弟もいないで一人で室内で亡くなり発見が遅れてしまい特殊清掃が必要な状況になっていく方が日本各地で現在も増えていて、将来的にはもっと増えることが予想されています。

そんな方は「あとは死ぬだけで誰にも迷惑をかけない」と思っているかもしれませんが、家や部屋を貸してくれる方々には迷惑がかかってしまいます。

貸借側（オーナーや大家さん）にとってはそういった方に自分の資産である不動産物件を貸すのは相当なリスクになってしまいます。

そこで、貸す側がリスクを負うばかりでは部屋を貸すことが出来なくなってしまうので、居住支援法人という制度があることはご存知でしょうか？

ここでそのことを説明すると長くなるので過去のブログのリンクを貼っておくので興味がありましたらご覧ください。
『高齢化社会に向けての準備～改正住宅セーフティネット法』