「特殊清掃を頼みたいけど、具体的にはどんなことをしてくれるのだろう?」
と疑問や不安を抱えている方も多いかと思います。
また「実際に現場に来る特殊清掃人ってどんな考えの人なんだろう?」なんて思う方もいるかもしれません。
今回はそんな疑問にお答えする内容のブログとなっております。
特殊清掃員の仕事とは?〜孤独死編
体液や血液の除去
特殊清掃と一言で言ってもジャンルが様々あるのですが、今回は『孤独死現場』のお話を中心にお伝えしようと思います。
まず、第一にしなくてはならないのは体液及び血液の洗浄及び除去作業を行います。
ご遺体は警察が遺体袋に入れて運び出しますが、床などに付着し流れ出た液体、肉片などに関しては大抵は未処理のままです。
実はこの液体が悪臭の源になることが多く、除去をするかしないかでニオイの強さが違います。
体液、血液の中には悪臭を発する細菌が多く生息しているからです。
※経験が少ない特殊清掃業者への注意点
床にクラック(ヒビ)が入っていて水を使うと階下にまで滲出して被害が拡大するため、水などの液体が使えない場合もあります。
下の写真は実際に弊社が施工した例ですが、この部屋の階下の住人さんが「なんか臭い」ということで管理会社さんに連絡をしたところ、上の階の方が亡くなっていたということでご遺体が発見された例です。
上下階での施工となったので事前にクラックがあることがわかりましたが、大抵の場合は「床にはヒビがある!」と思って作業をした方が良いでしょう。
階下の養生が出来る場合は問題ありませんが、それが不可の場合は細心の注意を払って作業をしなくてはなりません。
大まかな部分は布で拭きとったり、水が吸える吸引力の強いバキューム掃除機を使用したりします。
応急手当的に行うのは車のパーツクリーナーなどで使用する揮発性の高いスプレーを使用します。(絶対安心ではありませんので様子を見ながら少量ずつ使用して下さい)
洗剤については、各業者それぞれ使い勝手の良い物を使用すればよいと思いますが、弊社ではアメリカ製の物を使用することが多いです。
少し高額ではありますが、洗浄と同時に除菌も行える物の方が良いでしょう。
また、明らかに床下まで液体滲出している場合は床ごと切り取ってしまうこともあります。
表面部分の洗浄は飛ばして、床下の躯体へ直接アプローチするための時間短縮です。
床の形状にも依りますが、根太などに付着している場合は洗浄や染み抜き、防臭剤を塗布するなどの処理をしないといつまで経ってもニオイが出続けるという事態となってしまいます。
一見すると大丈夫に見えても、CF(クッションフロア)の継ぎ目のわずかな隙間から体液が漏れていた事例もございます。
これを見逃すと空間消臭をいくらしたところでニオイは取れません。
「匂いがする」ということは”ニオイの発生源の臭気物質”が必ずあります。
それを除去しない限り、悪臭が発生し続けるのです。
特殊清掃は経験を重ねていかねば、わからないことも多いです。
害虫駆除
害虫と言っても純粋な孤独死現場の場合はハエやウジがメインターゲットになります。
基本的には市販の殺虫剤で散布しますが、大量に発生している場合はハエトリ紙なども地味に有効です。
サナギやウジは見えているようモノは全て掃除機で吸います。
多くのベテラン特殊清掃業者の場合はご遺品整理の現場から出てきた掃除機をストックしていることが多いです。
なぜならそのまま使い捨てにするため数多く保有しておく必要があるのです。
弊社でも常時使い捨て用の掃除機は5~6台は確保しております。
※害虫駆除に関しては後日詳しいブログを紹介予定です。
死臭(腐乱臭)の消臭
体液の除去が終わったら、空間の消臭作業に入ります。
基本的に腐乱臭の原因はイソ吉草酸や酪酸などですが、糞尿臭も混ざっていることがあるので酸性とアルカリ性の消臭剤を用いた複合的な消臭作業が必要となります。
ニオイが強烈な場合は壁紙を剥がすこともあります。
室内で壁紙は特に表面積が広く、材質的にもニオイを吸着しやすい場所です。
ですから壁紙を剥がして、石膏ボードに消臭剤を散布するほうがより効果的です。
実際に剥いで集めた壁紙のニオイを嗅ぐとかなり臭いことが多いです。
しかしながら、ご予算や時間の都合でそれをしない場合もありますのでケースバイケースです。
オゾンショックトリートメント法(OST法)
弊社の場合はオゾンショックトリートメント法(OST法)という日本除菌脱臭サービス協会が推奨する作業方法を実践しております。
※日本除菌脱臭サービス協会は全国の有力な特殊清掃業者が特殊清掃の技術向上のために参加している団体です。
逆に言うとここに加盟していない特殊清掃業者は最新情報や業者間の情報を得られないので損をしていると思います。
弊社は同協会の発足以来加盟させて頂いております。
OST法のことをここで記載すると興味がない人にとってはかなり苦痛となるので詳細を説明しているサイトのリンクを貼っておきますのでご覧ください。
オゾン脱臭器を販売している㈱カイコーポレーションのホームページから抜粋
基本的にはオゾン(O₃)という気体を用いて消臭を行うのですが、低濃度の場合は人体に影響がありませんが、高濃度になると人体に悪影響を及ぼすことがあります。
取扱には注意が必要な気体です。
ですから、常に正しい情報は仕入れておく必要があるのです。
自社の人間も罹災してはダメですが、使い方を誤ると植物や小動物が死んでしまった、ゴムがボロボロになってしまったなどご依頼者様にご迷惑をかけてしまうことがあります。
デメリットもありますが、短期間でニオイを落とすには有効な手段です。
また、このような話を記載すると「機械のスイッチを入れるだけなら簡単でしょ?」なんて思うかもしれませんが、室内空間の広さや湿度、温度、臭気強度、臭気濃度などを考慮して稼働時間を計算しなくてはいけません。
私どもも経験がないときは長時間稼働させすぎたり、逆に短時間で足りなかったりと徐々に経験則を集めて消臭作業を行ったものです・・・。
今ではしっかりと日本除菌脱臭サービス協会で基本中の基本は教えてくれるので昔に比べれば安心です。
但し、あくまでも理論上、机上での話ですので現場では実際にどれくらいの稼働時間がベストなのかを知るには経験を重ねるしかありません。
最近では安価な家庭用オゾン発生器も販売されていますが、人体への悪影響を抑えるためオゾンの発生量が少ないので、特殊清掃で使用するには圧倒的に性能不足です。
「オゾンが出れば何でもいい」というわけではありません!
短時間で高オゾンを発生させることが出来る機械ではないと、孤独死現場では満足な結果を得ることは難しいでしょう。
実際にこのイスラエル、エコゾン社のパンサーが日本で販売されるようになって特殊清掃業者の消臭レベルが一段と上がった実績があります。
原状回復
「ニオイ戻りが無いか?」というチェックを複数人でしたのちに、原状回復を致します。
この「ニオイ戻り」が合った場合は臭気源が取り除かれていないですから、そのまま原状回復作業には移行出来ません。
孤独死現場もペット多頭飼育崩壊現場などニオイがキツイ現場の場合は特殊清掃後のリフォームを経験している業者さんではないと失敗する可能性が高くなります。
なぜなら、特殊清掃経験のないリフォーム業者さんは見た目を直すことが仕事であってその後の臭いに関しては責任を持たないですし、ニオイに関しては素人です。
弊社の場合は私どもと永年多くのリフォームを手掛けてきている便利家アイウィルと連携してきているので、過去のクレーム等はございません(軽微な手直しなどは即対応しています)
基本的にはニオイが収まって、原状回復を行ってもよいレベルになってから施工に入るのですが解体や修復中に「ここから少し臭いがしますよ」と言ったアドバイスをもらって手直しを弊社でもすることがあります。
こういった連携がきちんと取れるリフォーム業者さんなら安心ですが、大抵の業者さんや職人さんは納期を気にしてそういったことはすっ飛ばします。
くどいようですが、ニオイに関することに責任を負わないからです。
【原状回復現場の一例】
下記は猫多頭飼育現場の消臭と原状回復をした現場の一部です。
和室だったのですが、木材はニオイが染みて壊滅的だったこともあり依頼者様の要望で洋室に変えました。
【原状回復後】
当然、ニオイは全くありませんし、前回の部屋のイメージとガラっと変わりました。
とても同じ部屋だったとは思えない仕上がりです。
他社が手掛けた現場で「リフォーム完了後に臭いがするので何とかしてほしい」という相談を受けることが多々ございますが、大抵の場合はやり直しになるので弊社ではお断りさせて頂くことが多いです。
軽微な場合は良いかもしれませんが、重篤な現場の場合、目に見えない躯体部分や壁紙の裏の石膏ボード、天井など消臭や防臭を施さないで原状回復しても意味がありません。
基本的には数十万円〜数百万円単位の高額なリフォーム代がかかるので業者選定で失敗したくないものですよね?
実際はあまりこういった裏情報はないのが消費者さんにとっては不利になるでしょう。
ですから、弊社のサイトに辿り着き、ご依頼して頂いた方は「ラッキー」だと思います。
遺品整理
少し話が前後しますが室内の家財撤去も弊社で行っております。
特殊清掃業者が遺品整理が出来ないことはありません。
しかし、その逆で全ての遺品整理業者が特殊清掃を行えるかはNOです。
ここでは遺品整理に関しては長く書きませんが、過去のブログをご覧頂けると幸いです。
ご供養、お焚上げの手配
仏壇や神棚などもご相談頂ければどのように処理すればよいのかアドバイスを致します。
基本的には故人がいつもお世話になっていたお寺さんや仏具屋さんなども対応してくれます。
弊社では札幌市の場合は清田稲荷神社様にお願いしています。
その他の地方の場合は地元のお寺や神社に相談するのが一番です。
弊社でもお焚上げに関しては手配してましたが、特に力を使うわけではないのでそれくらいの手間をかけることが「本当の供養ではないか?」と思うようになっております。
特殊清掃や遺品整理は誰にでも出来るわけではありませんが、何でもかんでも簡単に代行してあげることが本当に良いか?
ニーズとしては「ワンストップでお願い出来るから楽」という方は多いですが、果たして故人の供養となるのか?
そんなことを最近では思うようになっております・・・。
特殊清掃人として働く人はどんな人?
経営者の場合
特殊清掃業界の経営者は「人の役に立ちたい!」と思っている人が多いのではないかと思っていますが、「儲かるからやりたい!!」という人も一定数は居ると思います。
ただどちらも突出していてはダメで「人の役に立つ気持ちは強いけど経営センスがない人」はダメですし、「経営センスはあるけど志もなく金の亡者」みたいな人でもダメだと思います。
ホームページ上では綺麗ごとを書かないとご依頼が来ない(集客出来ない)のでしょうが、いくら綺麗ごとを並べても経営者の本質が時折垣間見えるもので、そういった業者さんは永く続かないのではないかと思っています。
やはり、一定レベル以上の方には化けの皮はすぐに剥がれると思います。
それは電話対応や見積もり時に分かると思います。
美句麗辞を並べても、心に響かない場合はその業者を選ぶのは止めた方が良いでしょう。
バランスよく「論語とそろばん」を理解できる人が良いと私は思います。
ただし、ご予算が限られていて、業者を選ぶ選択肢が少ないときは致し方ありませんが・・・。
最近の業界の流れは二極化が進んでいて、「法令無視の異常な低価格・格安業者」と「法令順守の適正価格の業者」です。(異常に高い業者は昔に比べると市場から駆逐されつつあります)
消費者サイド(ご依頼者側)からするとなんでも安い方が助かるという理論は理解できますが、遺品整理に関してはそもそもの家財の廃棄代、人件費、その他運営費がかかるので皆さんが思っている以上に利益が残らない業態です。
廃棄処分費よりも安い作業代を提示してくるような業者は大変危険です。
利益が残らない体質の業者がはびこると一見すると依頼者様が得すると思いますよね?
ところが回りまわって依頼者様が損をするということがあります。
社員の場合
社員の場合は特殊清掃業界にどのような動機で入ってくるかにもよりますが、「高給だから」、「特殊な世界で興味があって」とか色々あると思います。
私的には「向上心」や「好奇心」が強い人がこの業界に向いていると思います。(なんの業界でもそうでしょうが)
清掃や消臭に関しては日々技術向上や情報収集に勤しみ、自らを律することが出来る人物が最適だと思います。
「自らを律する」とは他人様の家に入って仕事をさせて頂く仕事は貴重品や現金が出てくることがあります。
寧ろ出てこない現場が無いくらいですが、そういった時に横領や窃盗をしてしまうような人物は絶対にダメです。
なぜ窃盗や横領が発生してしまうのか?
利益が残らない企業はそもそも給料が安い、会社の福利厚生が手厚くない、いつでも辞めてもいいと思っているなど不満を抱えている社員がいると事件が起きてしまいます。
経営者が自ら窃盗をしているような企業では部下も当然そういった行為を目にしていますので「自分もこのぐらいいいだろう」という気持ちになってしまいます。(残念ながらそういった業者もいます)
ですから、経営者が範を示さない企業はダメだと思いますし、絶対にブラック企業では優秀な社員は育ちません!
上記でもお話しましたが、本来は戻ってくるべきお金が業者によってネコババされてしまった場合は知らぬ間に損をしているということです。
「格安業者がなぜ経営を続けられるか?」は皆さんの想像にお任せしますが、自らを律することは実は大変なことです。
特殊清掃の需要が増えている理由
社会的な背景としては・・・
①超高齢会社、多死社会を日本が迎え、単身高齢者が増えたこと
②核家族化や熟年離婚、未婚者が増え孤独な人が増えた
③大量生産、大量消費などで物を大切にしない人が増えた
④人間関係のストレスや職場のストレスなどストレスを溜めやすい環境になってきている
⑤ペットブームで簡単に犬猫が飼えてしまう・・・
まだまだ沢山理由はあると思いますが、特殊性清掃業者が増えるということはあまり健全な社会では無いと思います。
ただ、孤独死にしてもゴミ屋敷にしてもそれに従事する専門的な知識をもった人間が必要となってきています。
弊社はたくさんの特殊清掃現場を経験しているがゆえに横柄な業者と思われるかもしれませんが、皆さんにとっては初めてのことばかりの方が大多数です。
なるべくわかりやすく、丁寧にご説明をするように心がけております。
ご不明点がございましたら質問をして頂ければ的確にお答えさせて頂きます。
特殊清掃の依頼をしているのはこんな人
・家族を亡くした現場を見るのがつらい人
⇒これは生理的に無理でしょうからプロに依頼して下さい。
・現場から遠く離れて住んでいる人
⇒物理的に自分で行うには難しいですし、飛行機で休みのたびに来て作業するのも時間と労力がかかります。
・忙しく時間がない人
⇒近くに住んでいても自分の仕事や生活で忙しい方もお金で解決した方がいいでしょう。
・お金に余裕がある人
⇒そもそも作業代を払えない場合は自分でするしかありませんが時間を買うと思って依頼をしましょう。
・素人では無理な現場を依頼する人
⇒特殊清掃現場では使用する物も特殊ですし専門ですからそれらを一から揃えるのは現実的ではありません。
理由も背景も人それぞれありますが、基本的には「自分が出来ないからお願いする」というスタンスの方が大半です。
あと、手前味噌ではありますが弊社に決めて頂いた理由として「しっかりした業者さん、信頼できる業者さんに依頼したい」ということで「リライブルさんなら大丈夫と思った」と言って頂ける場合が多いです。
当然、金額的には決して安い作業代ではありませんが、「大変な作業を代行してもらう金額として妥当、もしくは安い」と言って頂けることもございます。
お金の価値観や考え方は人それぞれですので、一度お話を聞いて、見積金額に納得して頂ければ弊社にご依頼下さい。
お陰様で無理強いするほど仕事には困っていませんので、ご縁が無い場合でもそれはそれで致し方ないことです。
どうかお気軽にご相談下さい。
・・・とは言えども実際に電話をするには勇気がいりますよね?
最近ではLINEでのやりとりが便利と好評です。
社名に掲げる信頼される企業を目指す!
リライブル株式会社
0120-669-920
(スマホの場合は上記を押すと電話に繋がります)
・営業時間は9時〜18時が基本ですが、ご依頼者様の都合に柔軟に対応させて頂きます。
・同様に土日祝日は作業はお休みですがお見積りには伺えます。
・遺品整理・生前整理・不用品処分代行などの家財整理全般
・上記に伴う買取も積極的に行っており作業代の削減に努めます。
・孤独死現場・事件現場・自殺現場などの特殊清掃及び消臭作業
・ゴミ屋敷・ゴミ部屋・汚部屋などの片付け及び清掃
・ペットの多頭飼育崩壊現場の糞尿臭の原状回復工事
・火災・ボヤによるスス臭の消臭(保険対応することが多いです)
・灯油漏洩現場の消臭作業(保険対応することが多いです)
・その他、ニオイや凄惨な現場でお困りの方はお気軽にご相談下さい。
【注意点】
・少人数で運営しているため、24時間事務所に電話番が常駐しているわけではなく転送電話にて対応しております。
・せっかくのお電話でも現場作業中ですぐに出られない場合に【非通知設定】だと折り返し電話がかけられない場合がございます。
・お時間をずらして再度電話して頂けると幸いです。
・営業時間外のお電話でもフリーダイヤルにて対応可能です。
・メールは簡易設定にしております。
・再度、詳しい内容をお伺いすることもありますが最低限の必要事項を記載の上、返信をお待ちください。