2年間発見されなかった孤独死現場の遺品整理

こんにちは、リライブル株式会社の鈴木です。

11月最後の仕事は札幌市豊平区の分譲マンションでの孤独死現場の遺品整理でした。

ご連絡を頂いたのは縁戚の方で”死後2年経過”していたそうです。

恐らく平成27年1月ごろには亡くなっていたのではという警察の見解なのですが、その間に全く発見されなかったのも我々としても不思議に思いました。

以前には1年間発見されていなかったケースもありましたが今回は最長記録を更新しました。

電気や水道、ガスなども口座引き落としだったようですし、発見時はストーブがついたままだったそうなので灯油も自動で給油されていたのでしょう。

それにしても夏場の暑さにストーブで温められたらニオイが凄かったと思うのですが気付かれなかったようです。

推測なのですが、故人は身体が小さい方だったこと、亡くなったのがストーブの前だったので体液がカラカラに蒸発したこと、冬場で隙間が無かったのでハエが入り込まなかったことなどの条件が重なって発見が遅れてしまったのかと思いました。

北海道特有の部屋の気密性の高さが災いする場合もあります。

さらに不思議なのは管理人さんがいるマンションなのに郵便受けが2年も経過していたらいっぱいになるのでおかしいと思うのですけど・・・。

孤独死自体は自然死なので防止が出来ませんが、いずれにしても発見が遅れてしまうことが問題です。

管理人さんにもう少し注意力や観察力があれば防げたのではないかと思ってしまいますが、それを求めるのは酷なことなのでしょうか?

今回はこちらのマンションの理事長さんの意向で「ニオイが拡散するから部屋の外に荷物は堆積してはいけない」と管理会社さんが言われたそうで、部屋の中にご遺品をまとめて、パッカー車が来たら一気に搬出するという手順となりました。

ただ、今回は立地が一階であること
ベランダがあってそこから搬出しやすいことが上げられました。

これが1階以外だと厳しいです。

そして、この条件ですから作業は4名で2日間にわけて作業となりました。

2日とも札幌市の一廃廃棄物収集運搬事業許可を持つラベンダー色のパッカー車で回収してもらっていますのでご安心下さい。

札幌市の場合は便利屋や不用品回収業者が行っている「軽トラパック」や「トラック積み放題パック」などは無許可営業で違法となりますし、家庭から排出される不用品は産業廃棄物収集運搬事業許可では積み込み出来ません。

「全て廃棄して良い」と言われたら自分のモノ?

実は土曜日にご遺族が一度貴重品探索を行った後だったので「全て廃棄してください」とのことでした。

孤独死現場の場合はニオイが家財道具についてしまっているのでリサイクルなどには回せません。

他社ではなんでもかんでもリサイクルに回してしまうところもあるそうですよ。

これって「勿体ないの精神」なのかは経営者の判断によるのでしょうけど、私が万が一リサイクルショップで買う立場ならあまり気持ちの良い物ではないと思うのですけど・・・。

価値観の違いですからこればかりは何とも言えません。

通常のご遺品に関しては、もし買取が出来る物は買取査定をさせて頂き作業代からお値引きさせて頂くこともございます。

ただ、「まだ使える物」と「売り物になる物」は違いますのでなんでもかんでも買取は出来ません。

古物商許可も当然持っていますので買取は可能です。

貴金属など換金性の高い物はどうする?

今回、遺品整理中にピンクゴールドの眼鏡を発見できたのでご親族にお返しすることが出来ました。

結構、こういったご遺品に関しては「全て廃棄してください」と言われているのでご遺族に返却しない業者の方が圧倒的に多いです。

弊社では作業代金を十分頂いておりますので、換金性の高いものに関してはお返しするようにしています。

当たり前のようですが、格安をうたう企業ではネコババが当たり前です。

それが故に格安だと思って良いでしょう。

時には作業代を賄えるほどの現金が出てきた場合は損をしてしまうこともございます。

因みに、ピンクゴールドも金で大抵が18K(14Kや10Kもあり)で刻印が入っています。

金の相場は毎日変わりますが例えば3500円/gで重さが7gだったら24500円です。

意外に眼鏡は見落としがちですが、年代的に金製品を使っている場合もありますので注意が必要です。

ご遺族様がお望みであれば金の買取も行いますが、弊社は貴金属買取専門店ではないのでご自身で専門店に持ち込んで買い取ってもらった方が高い場合が多いのでそのようにお勧めしております。

因みによく出てくる金杯は「K18GP」だとメッキなので殆ど価値がありません。
銀杯もありますが、価格は金に比べると格段に安いです。

体液滲出の確認

大方の仕分作業が終了後にお亡くなりになった場所を電気ノコギリを使用して切り取りを行いました。

隙間から体液が漏れていたりするので確認の意味も込めて剥ぎました。

簡易フローリングでしたが、予想以上に滲出していなかったみたいで重篤現場にはならなそうです。

この後、ご遺族様と管理会社さんとで今後どのように売却していくのか話し合いが行われるそうですが、弊社の作業は今回はここまでです。

分譲マンションなので解体してリフォームする可能性も高いので徹底した消臭作業が必要な場合はまたご相談頂く形としました。

何がなんでも「売り上げが欲しい!」という場合はここでリフォームや消臭のご提案もするのでしょうが、不要なことはお奨め致しませんのでご安心下さい。

ただ、過去の経験上これは必要だと判断した場合は必要な作業をお奨めさせて頂きます。

孤独死は無くなることはないでしょう

弊社では毎月、3~6件の孤独死現場の遺品整理、特殊清掃をどこかしらで行っております。

現場によっては消臭にリフォームも絡み1か月以上かかる現場もあります。

孤独死が無くなることを願っていますが、もう社会情勢的に完全ゼロにすることは難しいと思います。

万が一発生してしまった場合にきちんと対応出来る業者を選定することが出来れば安心ですよね?

皆さんが弊社におっしゃっているのは「初めてのことでどこに依頼したらよいのかわからなかった」という声が多いです。

北海道は特殊清掃専門業者が少ないのも確かですが、弊社のブログを見て「信頼できそうだ」とご連絡を頂くことが大半です。

「死」に関わる業界は情報公開をしにくい業界ですが、情報公開をしなくては困っている方を救えないという現状もあります。

しかも現在では不法投棄や詐欺行為を働く心無い輩もいますのでこういった情報公開は必要かと考えております。

最後にブログ掲載の許可を頂きましたS様、ご協力ありがとうございました。

また残念ながら発見が遅れてしまった故人に対しても哀悼の意を込めご冥福を祈念致します。

社名に掲げる信頼される企業を目指す!

リライブル株式会社

0120-669-920

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